WiMAXは期待されていない?

Hotwired JapanのNews Watcher's Talkで、「WiMAXサービス、期待する?」という投票をやっている。
で、現時点*1ではYES(183):NO(494)と、NOの方がかなりリードしている。

WiMAX(IEEE803.16a)といえば、

  • 見通しの利かない場所での通信に強い
  • 伝送距離が長い(50km)
  • 高速通信(70Mbps)
  • 移動高速通信が可能

という、相当「なんか良さそう」な規格である。ケーブル敷設に金がかからないのでラストワンマイルでの利用やADSLの普及が困難だった地域へのブロードバンド普及にも期待されているはずなのだけれど、何故こんなにNOが多いのだろうか?
 ここら辺の読者層は比較的技術系の情報には関心のある人が多いので、あまり「WiMAXって何だか分からない」って理由で適当にNOに入れてる人はそんなに多くはなさそうだ(…と、思う)。

とりあえず、聞き方が悪いんじゃない?て気はする。
 何しろタイトルが「YOZANWiMAXサービス開始、ソフトバンクは準備室――06年はWiMAX元年?」だからねぇ。
確かにYOZANが始めたサービスというのは現時点では実質法人のみ*2ということもあって、いまいちピンと来ない。それに今年がWiMAX元年かと聞かれると、もうちょい先じゃない?としか言いようがないし。WiMAXサービスに期待するか?というのは現時点では微妙すぎる。WiMAXという規格に期待するか?ならもう少し違うんじゃないかなぁ。

もうひとつ考えられるのは、現在の公衆無線LANの印象が悪すぎるんじゃない?ということ。
 無線LANの使用できるPCやPDAを持つ人が増えた割にはいまいち社会的に浸透していない感じがする。それは何故かと言えば、地域や場所が限定されすぎたり、サービスプロバイダによって利用できるアクセスポイントが全然違うせいで「使う気にならない」からじゃなかろうか。無線LANが使える店だの電車だの言われても、そのアクセスポイントのサービスと契約していないと使えないのではお話にならない*3。少なくとも、それのために幾らかの月額を払って(それが例え安価でも)までサービスを享受したいと多くの人に思わせられない程に、「不便そう」「使える場所少なそう」という先行した印象はかなり根強そうだ。
 そういったことを考えると、WiMAXも公衆無線LANと同じ轍を踏む懸念というのが暫くは拭えないかもしれないし、そう考えてNOとした人は多そうな気がする。
 (そしてこの不安については必ずしも否定できない)

ともあれintelがかなりご執心のようなので、チップの供給が本格的に始まれば世界的な普及はそれなりに早そうだ。WiMAX準拠であればメーカ間互換は保証される(規格上そうでなければ準拠品にならない。尤も相性の問題はありそうだけど…)。
 あとはまぁ、どのようなサービスを提供するのか、どうサービスを提供していくのか(プロバイダ間互換含め)というのが結局のところ大事なんだけどね。

*1:2006/01/15 23:00頃

*2:個人向けはWi-Fiアクセスポイント経由

*3:ローミングサービスプロバイダも一応あるけど、使い勝手はどうなんでしょう?