美しく、鮮やかに、滑らかに

iPhoneに代表されるタッチデバイスを特徴づける「直感的」で「心地良い」操作アクションって何でしょうか。


当然人によって答えは色々あるかと思いますが、僕としては何よりもスワイプ(フリック含む)を推したいです。
指を滑らすだけで完結する操作は心地よいですよね。せっかく画面全体をフィールドとして使えるのに、本のページをめくったり写真を一枚ずつ眺めるのに「ボタンの位置に指をあわせて押さなければならない」って、やっぱりナンセンスじゃないですか。
上下左右の動きに意味が割り当てられ、それを素早く操作する指の動きさえも美しい。



今回はそんなスワイプ操作を徹底的に活かした画像編集アプリ「Snapseed」です。

※価格は情報取得時点のものです。ご購入前にその時点の価格を確認願います。

Snapseed 1.3.1(¥450)App
カテゴリ: 写真/ビデオ, ライフスタイル
販売元: Nik Software, Inc.(サイズ: 27.7 MB)


直感的と言っても、流石に他のアプリとは一線を画す操作性なので、共通の操作パターンを憶える必要はあります。でも一度憶えてしまえばこの操作性の良さが実感出来るはず。

というわけで、ざっくり機能を追いかけつつその独特だけど直感的な操作を説明します。


AUTOMATIC/自動補正

コントラスト補正色調補正
どのように調整するかをアプリに任せて、自然に、奇麗な色彩になるように調整してくれる機能です。ユーザはどの程度補正するかをスワイプしながら好みの調整量を選ぶだけ。超簡単。


というわけで、全機能に共通するこのアプリ最大の特徴、スワイプによる編集操作をここで説明しておきます。

縦のスワイプはポップアップするメニューから実際に調整する項目を選択します。この選択肢はシビアすぎないように調整されているので、中間の項目(この機能は二つだけだけど)が殊更選びにくいこともなく、とても滑らか。
 


そして横のスワイプ。

選択された項目の値(掛かり具合)を調整します。右にスワイプを繰り返せば強い(プラスの)効果となり、左にスワイプすれば弱い(効果なし、またはよりマイナス方向への)効果に調整されます。
調整用のスライドバーなど余計なモノが編集対象の画像に一切被らないのは良いですね。バー表示型のアプリでも邪魔にならないように工夫されているもの(Filterstormとか)もあるのですが、このインタフェースなら画面のどこでも指の動かしやすいところで調整出来るってのがタッチデバイスらしくて嬉しい。

一見Photoshop Express に似てるけど、決定的に違うのはPSEがタッチの位置で数値が決まる(スワイプの必要は無い)のに対して、Snapseedはスワイプした量で変化するってことです。だから変化が常に滑らか。指をおいた位置でいきなり劇的に変化したりはしません。
 

そして、スワイプではないけど秀逸なのが、右上にあるアイコン。

これをタップすると、タップしている間だけ調整前の画像を表示出来ます。今の操作によって画像がどう変わったのかが一目瞭然。並べて見比べるよりわかりやすいんですよね。


SELECTIVE ADJUST/選択による調整

画面下のプラスボタンをタップして、調整したい色のある場所をタップすると、そこを中心に近似色の輝度、コントラスト、彩度を調整できます。


更にピンチイン、ピンチアウトで適用範囲自体も調整可能(下の画像左)。操作中は範囲が緑や赤など周囲と異なる色で示されます。また、中心の配置を微調整するときはドラッグ時にルーペ表示が出てくる(下の画像右)ので、指の下でも正確な位置に移動可能です。
 


本当に使い勝手が細部まで検討されているのがよくわかります。



TUNE IMAGE/画像を調整

輝度、アンビアンス、コントラスト、彩度、ホワイトバランスそれぞれの調整を、画面全体に行います。

自動補正と大きく異なるのは、補正がバランスを取った調整であるのに比べて、こちらは純粋に強弱の調整であるということ。


ここまでの調整機能の違いを、コントラストを例に比較してみます。違いの比較のため、全て上限まで調整してあります。
こちらが元の画像。早朝の空、朝焼けがうっすらと雲を染めていますが、もうちょっと朝焼けの雲を強調してみようと思います。


「TUNE IMAGE」のコントラスト調整を「+100」にした場合。こちらは文字通りコントラストを強く、色の薄い部分、濃い部分がはっきりと強調されます。シルエットは真っ暗に、空は白く飛んでしまいました。流石に上限では極端すぎたようです。


「AUTOMATIC」のコントラスト補正を「+100」にした場合。全体が落ち着いた自然な色合いになるように調整されます。今回は朝焼けを印象的に表現したかったのですが、空の色味がバランス良くなりすぎて物足りないですね。


「SELECTED ADJUST」で、赤く焼けた雲の色だけをコントラスト「+100」にしてみました。他の部分の色はそのまま、雲の赤い色だけが鮮やかになりました。


「TUNE IMAGE」のもうひとつのコントラスト調整、「アンビアンス」です。画面の下の暗かった田んぼの色も浮かび上がり、且つ朝焼けの色も鮮やかに強調されています。


この写真では「アンビアンス」がいい感じに仕上がりましたが、実際には調整量や素材の向き不向き、期待する仕上がり次第でどの機能を使うかは変わって来ると思います。実際にはコントラストだけで調整するわけではないですしね。

STRAIGHTEN/真っ直ぐにして回転

左右90°ずつの回転と、10°までの傾き調整です。

CROP/クロップ

切り抜き。フリーの他アスペクト比の指定(全て縦横変更可能)、画像自体のアスペクト比のままの調整も可能です。

DETAIL/詳細

シャープネス構造の2種類。
シャープネスは画像内のエッジをくっきりさせて、被写体と背景の境界をはっきりさせたり出来ます。但し画像によっては強くかけすぎるとノイズやジャギーが目立って粗い画像になってしまうので注意ですね。

構造は…これもシャープネスに近いと思うのですが、よくわからないです。

ちなみにこの機能だけはルーペボタンで部分拡大を常時表示させる事が出来るので、小さい画面では気付かない変化を確認出来ます。

BLACK&WHITE/モノクロ

6種類のスタイルに、輝度、コントラスト、ざらつきの調整が出来ます。同じモノクロでもかなり細かい調整が出来て嬉しいですね。

VINTAGE/ビンテージフィルム

LOMO風など9種類のスタイル、4種類の汚れ(写真の痛み)テクスチャ。これに輝度、彩度、テクスチャの強さ、中心のサイズ、スタイルの適用量を調整する事で無限のパターンを作れるレトロフィルタです。

更に、このアプリのテクスチャにバリエーションを与えるのが「プロパティ」ボタン。
透明だけど汚れや傷のついた、一枚の大きなシートが写真に被さってると思ってください。プロパティボタンはこのシートを適当にずらしたり向きを変えたりするものだと考えると分かりやすいです。以下の写真は同じスタイル、同じテクスチャですが、矢印の部分など傷や汚れの位置が違うのが分かると思います。
 

完全にランダムなので、傷や汚れの位置が被写体とマッチする(あえて大きい傷が被るようにしてレトロ感を強調したり)まで繰り返しタップ!偶然ハマったときはぐっと雰囲気でますよ。

DRAMA/ドラマ

擬似的にHDR風の加工を施すフィルタ。6種類のスタイルに、フィルタの適用量彩度が調整出来ます。個人的に結構お勧めのフィルタです。

GRUNGE/グランジ

「VINTAGE」に似た、汚しをかけるフィルタです。VINTAGE同様の4種のテクスチャが選択出来、プロパティボタンでランダムに配置出来ます。
スタイル、輝度、コントラスト、テクスチャの強さ、彩度の調整が可能です。


中でもこのフィルタが凄いのは1500段階に及ぶスタイル!画面の色調をスタイルで微調整することが出来ます。また、1500もの数字をスワイプで順次変化させるのは大変ですが、矢印の部分にあるボタンをタップする事でスタイルがランダムで選ばれます。何回かタップして直感的に合うスタイルを探してそこを基準に微調整、なんて事も出来ます。

CENTER FOCUS/中心フォーカス

被写体を残して周囲をぼかす、一眼レフ的効果です。6種類のスタイルに対して、中心のサイズフィルタの適用量を調整出来ます。中心の位置はドラッグしてずらす事が出来るほか、中心のサイズはピンチ操作でも調整出来ます。ピンチ操作のときはガイドの円が表示されます。

FRAMES/フレーム

フレームは8種類あって、それぞれがプロパティボタンでランダムに変化出来るのだけど、正直どれもあまり違わないような…。白いフレームの内側に黒いぼやっとした枠がある感じです。フレームの幅(黒い部分)とオフセット(白い部分の太さ)を調整出来るんだけど…。

なんか他の機能の出来の良さに比べて、これだけ妙にテキトー感があるんですよねぇ。

TILT&SHIFT/ティルトシフト

「CENTER FOCUS」と被ってる気もしますが、あちらが正円なのにくらべてこちらは線形楕円。まぁ他のティルトシフト加工アプリと同じようなものです。ブレンドの幅(くっきりさせるところとぼかすところの中間部分の幅)、ぼかしの適用量、輝度、彩度、コントラストと、調整出来る内容も豊富ですね。位置やサイズの調整はもちろん直接操作で行えます。



というわけで、操作の説明など交えつつざっくり全フィルタの紹介をしてみました。美しく滑らかな操作で画像を鮮やかに彩るアプリ、如何でしょうか。

でも、iPhoneの画面で紹介してきたけど、このアプリはiPadで圧倒的に力を発揮するタイプですね。ユニバーサルアプリなので一度買っておけばどちらでも使えますよ。


※価格は情報取得時点のものです。ご購入前にその時点の価格を確認願います。

Snapseed 1.3.1(¥450)App
カテゴリ: 写真/ビデオ, ライフスタイル
販売元: Nik Software, Inc.(サイズ: 27.7 MB)