本格カメラアプリを比較してみた【撮影編2】
さて、撮影編2です。
が、その前に前回のエントリに一つ訂正があります。Camera+はピントと露出を合わせた後でカメラを動かすと自動で再調整すると書きましたが、実際に再調整されるのは露出の方だけだったようです。
なんか出来た気がしたんだけど、ピンボケは僕の頭の方だったとかそんなオチで。まぁお詫びって訳じゃないですが、後半でこの辺の動作を逆手に取ったテクニックを紹介してみますね。
ちなみに過去2回のエントリ。今回は読んでる事を前提に進めますので、先にここに辿り着いちゃった人はどうぞ。
ズーム!ズーム!ズーム!
ズーム機能。どちらのアプリも最大6倍までです。
プロカメラの操作は三種類。画面の下側左右にあるボタンを長押し。二つのボタンの間をスワイプ。そしてピンチイン、ピンチアウトです。
(ボタンの間の白い部分はズーム操作しているときのみ表示されます)
ボタンは設定で消せるんですが、どうもバグがあるようで、ズームボタンの表示設定を変えた後はタップフォーカスとか利かなくなるので、アプリを一度立ち上げ直した方がいいみたいです。
ちなみにボタンを消してもボタン間スワイプのズーム操作は使えます。個人的にはピントや露出計を動かすときにうっかり触ってしまう事があるので、このスワイプ領域はちょっと余分な感じがします。ボタンとピンチ操作だけで十分。
Camera+は右側のスライドバーのみです。前回書いたとおり、二本指が露出計操作に当てられてるので、ピンチ操作はつかえません。
ま、でもズームなんて画質荒れるだけだし、あんまり…
と思いきや、3GSでも思ったほど荒れた感じにはなりません。プロカメラでは設定で「フル解像度ズーム」が設定できるし、Camera+でも画質的に同等(おそらく切り替えが無いだけでフル解像度)です。
流石に通常なみとはいきませんが、ファインダーで覗いていたイメージよりだいぶ奇麗になります。
これはCamera+の撮影ですが、プロカメラのフル解像度ズームも誤差レベルってことで。
フル解像度は保存時になにやら処理しているらしく、どちらのアプリも保存完了まで時間がかかります。なるほど、保存速度を高速にする替わりに低解像度で保存するのがプロカメラの「フル解像度ズーム」オフの状態ってことですね。
プロカメラはグリッド表示も拘る
さて、ガイド各種です。
Camera+はシンプルに3×3グリッドのみ。もちろん非表示にも出来ます。
プロカメラはCamera+とおなじ9分割の他、方眼状の細かい(10×8)グリッド、更に黄金比グリッドなんてのもあります。
どう使えば良いのか黄金比グリッド。
で、機能編をアップした後こんな質問を受けました。
はじめましてて。あなた名古屋でお会いしてるじゃないですか。
設定画面ではありません!
グリッド選択の他、水平器の表示やコンパスの表示(水平器とコンパスを両方使う場合、iPhoneの地面との角度によって自動切替)も撮影モード中に変更できます。これは設定画面までいかなくても平気。
フラッシュ、インカメラ
3GSユーザなので、ここまですっかり忘れていましたが、iPhone4はご存知の通りインカメラとフラッシュがありますので、当然対応するボタンがあります。
プロカメラ。
ちなみに協力してくれたのは[twitter:@nonokoo]さん。僕がすっかり諦めてブレブレのスクショを載せまくりの中、ばっちりきれいなスクショを撮ってくれました!thx!
逆さまで撮影しよう!
で、その@nonokooさんからいわれた事。
ぺんぱんて。誰やねん。
逆さ撮り?何のために?
試しに「iPhone 逆さ撮り」でググると、アレなサイトしかヒットしませんでした(´・ω・`)
まぁ、そういう不健全なお話ではなくて、こういう事のようです。
[吉祥寺][オフ]ど迫力画像撮影のコツを学んだ夜 | matuダイアリー 今回学んだのは「iPhoneを逆さに持って、カメラを被写体に近づけ迫力画像を撮る」テクニックです。 これすごくて、とくに食べ物は本当に美味しそうに撮影できます! というわけで、食べ物ばかりで恐縮ですが、写真で飲み会を振り返ります!
おお、これは素晴らしい!今度真似しよう。
で、実際逆さに持つとこんな感じ。
プロカメラは逆さまに持ってもアイコンなどが元の向きを向いたままです。
一方でCamera+。標準カメラも同じ動作をするシャッターのカメラアイコンのほか、ホワイトバランスやズームの倍率、LightBoxのバッチに至るまで、全部ひっくり返って表示されてます。
勿論アイコンがひっくり返らないからと言って撮影そのものが出来ないわけじゃないんだけど、やっぱり気分が違います。こういう細やかな配慮はCamera+のほうが上かなと思わせる動作ですね。
ちょっとだけアートな気分で
さらに、こんな質問?も頂きました。
先生て。まぁそれはいいか。
なんかこのときは適当に答えて終わったんですが、もしかして出来るんじゃないか?と思い、試してみました。iPhoneカメラで撮る、被写界深度の浅い写真。
いいよね被写界深度。さらっと言えるとカッコいい。
で、これがプロカメラで撮った写真。撮影後の加工は一切やっておりません。
方法としては、マクロ撮影のように近接した被写体で一度ピントを合わせて、そのあとで背景のある景色にカメラを向けるだけ。手前のピントの合う位置になにかしらモノが映り込むとそれっぽくなります。
というか、それだけなら実は標準カメラでも出来るテクニックなんです。ただ、それをやってもなかなか思い通りの写真は撮れない。何故かと言えば、最初のピントを合わせた時点で、その被写体に合わせて画面の明るさも決定してしまうからです。
ここまで言えば、もう分かりますよね?
プロカメラとCamera+には、「露出計を独立させる」機能があるじゃないですか!
では手順をもう一度。
まずは適当なモノにカメラを近づけてピントを合わせます。ここは少しコツがいると言うか、なかなか上手く行かないときがあります。暗いとなかなか焦点が合わなかったりします。
色々試した感じでは、屋外だと看板の文字なんかは平面だし、ピントが合った事が分かりやすいのでお勧めです。
ここでの注意点は3つ。
- ピントを合わせる対象から離れすぎていない事。被写体までの距離は指二本分くらいかな?拳までいくと離れ過ぎ。その状態でピントを合わせてもピンボケ効果が上手く出ません。
- ピントを合わせる対象の後ろの風景が入り込まない事。背景が見えてると、当然自動調整されてしまいますので。
- 看板にへばりついて必死にピント合わせなんかやってると、通行者から不審者をみるような目で見られるかもしれない事。特に背広にネクタイのリーマンが強風の吹きすさぶ中でそんなことやってるとかなり怪しいのでほどほどに。
で、ピントがあったら露出計を出しておくのを忘れずに。
ピントを合わせたらそのまま撮りたい風景にカメラを向けてみます。背景がボケボケになっていたら成功です。真っ暗だったり白飛びして分かりにくければ、露出計で調整します。
このとき注意すべきことはただ一つ。ピントを触らない事。タップフォーカスの自動調整機能を逆手に取ったテクニックなので、ピントの再調整をさせてしまったら台無しです。ピントのボックスは何処にあってもあまり関係ありません。
単にボケた写真を撮りたいならそのまま撮影でも良いし、手前にモノがあればTiltShiftっぽい写真が撮れます。
あ、ここではプロカメラでの撮影ばかりですが、Camera+も同じ事が出来ますよ。
とりあえず総括的な
ユーザインタフェースがちゃんとしてるアプリって、つきあってるうちに作り手の思想が見えてくるんです。思い込みだけど、そういうことにしといて下さい。
この二つのアプリ、比較を始めたときはそっくりだと思ってたんですが、実は似て非なるものじゃないか、と。
Camera+は高機能ながらも、ユーザに出来るだけ煩わしい操作や、選択に悩むような手数を掛けさせない配慮が随所に為されています。
言ってみれば「iOSの機能をフル活用しつつ、コンデジのような手軽な撮影を」楽しめるユーザ体験を提供してくれるアプリではないかと。
一方プロカメラは、ある意味変態的なまでに、iPhoneのオート処理から逃れてユーザにマニュアル操作の余地を残そうとしてるように見えます。
「iOSの許す限り、iPhoneを一眼レフに近づけてしまおう」というのが究極の目標かも知れません。
どちらを選ぶかはあなた次第。
ま、どちらも、って選択肢もありますよ。
※価格は情報取得時点のものです。ご購入前にその時点の価格を確認願います。
Camera+ 4.0.2 (¥170)
カテゴリ: 写真/ビデオ
販売元: tap tap tap(サイズ: 26.5 MB)
※価格は情報取得時点のものです。ご購入前にその時点の価格を確認願います。
プロカメラ 3.0.1
iPhone、iPod touch および iPad 互換 iOS 4.0 以降が必要
価格: ¥350
更新: 2011/02/11
(2013.10.06追記)プロカメラは現在公開されておりません。「ProCamera 7」に移行しています。
※価格は情報取得時点のものです。ご購入前にその時点の価格を確認願います。
ProCamera 7 5.0 (¥85)
カテゴリ: 写真/ビデオ
販売元: Cocologics(サイズ: 30.2 MB)