Twitterマーケティング

9月上旬、ツイッター上に「仙台のホテルが予約取れない」という女性のつぶやきが漏れた。これを察知したビジネスホテルチェーン、リッチモンドホテルがすぐさま「1室おさえました」と投げかけた。
感動した女性はツイッターで言及、「口コミで登録者が1日に数百人増えた」とホテル担当者は話す。実は担当者は「出張」というキーワード検索で多数のつぶやきの中からリアルな需要を探し出したのだ。
(「ツイッター販促 『リアル』で勝つ」 日経MJ)

tumblrで見つけた記事なんだが、オンラインに一次ソースが見あたらないのでそのまま引用。
ちょっと前後の文脈がないのでどういう意図の記事か分かりにくい部分はあるのだけど、話としては面白い。で、面白いのだけどじゃあすぐに「Twitterすげぇ」とか「これがTwitterの実力」みたいな賛美の方向に向かうとすると少し違うかなと。確かにすぐに反応して部屋を抑えて本人に直接それを伝えて、それに感激した本人の口コミで…、という一連の流れはTwitterの特性が良い方向に噛み合っているなとは感じる。掲示板とかでも似たようなことは起きうるだろうけど、本人に確実にすぐ伝わる確度はTwitterのほうがやや高そうだ。こういう展開になる可能性を本人が想定していない限りは。
でも無粋かもしれないが別の視点で冷静に考えると、女性が部屋の予約が取れないと嘆いている時点で空き部屋を抱えていたこのホテル*1は、この女性のアンテナに引っかかっていなかったということになり、需要に対してアクセスしてもらう本来のルートが他のホテルより少なかったんじゃないかと。そうなるともうTwitterで上手くやったというより、初期状態でマーケティング的に負けていたところをなんとか挽回した程度の話になってしまう。
Twitterを毎日「出張」とかのキーワードでこまめにチェックする従業員が正規の業務でそれをやっているのだとすると、暇な社員にあてがっておいて偶然成功したギャンブルって感じ。気の利いた社員が就業中に自主的にやってるのならそれはそれで「製品の生の評判を2chでチェックしているんです」みたいな話で、どこまで本気なのか良く分からない*2

まぁ、この話題がこうして紹介されることまで含めてマーケティングとしては成功かもね。というか紹介されたことでマーケティングとして完成すると見たほうがいいか。都市伝説的美談のように扱われることで系列全体の好感度も上がるだろうし*3

*1:尤も空き部屋にも色々あり、何かのときのためのリザーブを利があると考えて開放したか、偶然キャンセルがあった可能性もあるけどね。

*2:いずれにせよこの話が紹介されたことによりTwitterでダメモト確認してくる顧客がいることを考えれば、今後はそれなりの効率で回転する受付業務にはなりうるかな。

*3:この話がそうだとは言わないが、サクラが一連の芝居をしておいて口コミ発信まで引き受けるって手法も出てくるかなぁ