WBC続き

以前から思っていたことではあるんだけど、今回の大会でより確信したこと。
それは日米韓とキューバ中南米あたりのいくつかの"野球先進国"については、もはや選抜された20〜30人で構成されるトップチームにおいて殆ど差がないということ。もちろん日韓に比べてUSAはベストチームには程遠い布陣だったし、USAが本当の最強メンバーで望むならそうそう勝てる相手ではないだろう。だけど、じゃあそう簡単に負けるかといえば、少なくともWBCのような短期決戦における勝敗の可能性は限りなく5分に近いのではないだろうか。
逆に言えば、まだまだ各国の国内リーグのレベルの差は大きい。メジャーとNBPの間には限りなく大きな壁があるし、NBP韓国プロ野球の差もまだ歴然としている。これは別に韓国を見下しているのではなく、単純に裾野の広さとか歴史の長さから来る違いだ。つまり、レイヤを下げて広い範囲でサンプリングしたときに、あるレベルに達しているプレーヤの人数に差が出る。一言で言えば層の厚さ、ということ。
最高レベルの選手を集めたチーム同士ならたいした差は出ないが、その下にいる「それなりのレベルの選手」は日本のほうが韓国より多いし、アメリカにはもっと多い。ただ、その"事実"は、その差が国際大会でもそのまま通用するという勘違いを日本やアメリカに植え付けてしまった。その誤算は前回大会や北京で思い知らされることになる。前回も優勝したとはいえ韓国には2敗しているし、北京に至っては言うに及ばず。どんなに層が厚かろうと国際大会に出場できる人数は決まっていて、一度にグラウンドに立てるのは9人。韓国は今回を含む3つの大会で、国際大会においては既に日米と互角かそれ以上であることを証明した。これはもう素直に賞賛したい。今大会の決勝も、間違いなくベストバウトだ。
もはやアメリカは"絶対強者"ではないし、日本もアジアの"唯一最強"ではない。
日本は韓国にそれを教えられ、無意味な矜持を捨てて真剣に向かい合い、そして文句なしの勝者になれた。一方USAは未だ言い訳と商業主義に塗れて"本気"で望もうとしていない。というか、日本や韓国やキューバが何度粉砕しても「ベストメンバーじゃない」などとチキン共が言い逃れられる程度の面子ではもはや満足できない。
さぁ、そろそろ本当の"ワールドシリーズ"で、世界最強を決めようじゃないか。