古来より変わらない

某データセンタにて。
サーバルームは当然セキュリティエリアなので、なんでも自由に持ち込めるわけではない。透明のバッグに必要最低限の資料やら詰めてゲートをくぐるわけだけど、偶々僕より前の人が金属探知機に引っかかって警報が鳴った。
すると笑顔で寄ってきた係員が「工具か何かお持ちですか?」とか聞いている。なんだそりゃ。
まぁ実際に持っていた様でその人は透明バッグの外側から工具の入ってるところを示してみせる。すると中身を検める訳でもなければ空港みたいに工具を出しておいて再通過とかさせるわけでもなく、「はいどうぞ」とそのまま入室させてしまった。見ればむき出しの工具以外に透明バッグの中にポーチのような不透明の入れ物が入ってるんだけどノーチェック。


成る程。見せ金ならぬ見せ金属としてドライバ一本入れとけば、何でも持ち込めるわけだ。室内のカメラも死角多いしな。
そもそも聞き方からして「皆さん工具くらいもって入りますよね。一応ルールだから聞きますけど」的な慣れのニュアンスが感じられる。むしろ「たかが工具で足止めしまってすみません」くらいの勢いだ。言葉の使い方だけでも運用の甘さに関わるヒントが提示されている。


セキュリティってのはシステムをどこまで構築してもルールをどこまで厳しくしても、結局人から崩れるのだと改めて実感。運用に頼る仕組みは本当の意味ではセキュリティとは呼べない。