計画通り

ああ。分かっていたことだけど、結局パブコメなんてポーズでしかなくて、結論ありきな訳だ。津田さんが委員になっているのも、ガス抜きとして利用されただけですね。やれやれ。
日本には「通信の秘密」と言うものがあるわけだけど、違法ダウンロードってどうやって監視するつもりなのかなぁ。"合法サイト"マークなるもので見分けられるようにするそうだけど、海外のサイトはどうするんだろう。そもそも"情を知って"って、何を以って証明するんだろう。

委員会の主査を務める中山信弘東京大学教授は「一番大事なのは利用者の保護」としながらも、「違法サイトからのダウンロードを違法にすることで、国民の意識は変化するだろう。『情を知って』という言葉も入る(違法サイトと知ってあえてダウンロードしていないと違法とならない)し、刑事罰もない。一般のユーザーはそれほどひどい目には遭わないと思う」と、違法化は不可避――という方向で議論をまとめた。

確かに当面はその通りかもしれない。著作権侵害行為は減り、一般ユーザに実質的な影響は殆どないかもしれない。
でも、今回の件が問題なのは「違法か否か」という、一番大きな一線を越えてしまうことだ。一度違法と決まってしまったものは、まず二度と「合法」には戻らないんだよ。そして、法が施行されて尚CDやDVDの売り上げが大して戻らなかった場合、彼らは何を言うのだろう。謝る?そんなはずはないよね。
「この程度の法律では、結局違法行為は減らせなかったに違いない」「刑事罰が必要だ」「厳罰化を」「ストリーミングも対象に」。
一度大きな壁を越えてしまえば、こういう小さな(しかし重大な)法改正は、いつでも発生しうる。これはそういう方向性を決定付けてしまうってこと。

こんなことをしてたって文化の保護と発展には寄与しないんだけどね。取り残されたことに気付いてからじゃ、追いつくのは難しいよ。本当の意味で文化を護り、新たな道を拓いて来たのはいつだって後ろを向いていた人じゃなくて、前を見据えていた人たちだ。