枯れたデザイン

シンプルで安定したデザイン、というものがある。
 「枯れたデザイン」と呼んでもいいかもしれない。
たとえばアナログ時計。様々なデザインのものがあって、中には常識を覆す奇抜な形状のものもあったりして多種多様に見えるが、使いやすくて見やすくて、大多数の人が使うデザインといえば随分と昔から変っていない。理解しがたい独創性*1や、使いにくいだけの「美しい」デザインなど、物珍しさが話題になったりマニア志向の人々にのみ受け入れられるのが関の山だ。
 それはつまることろ右回りの文字盤と長短の針が円盤状になっているそれが工業デザインとしての完成形であって、洗練された美しさだということだろう。アナログ時計は誰が見ても「暗黙の了解」が成立するものが、本質的な意味において美しいものであるということだ。

Webサイトのデザインはどうだろう。左側のフレームにメニューを、のようなある程度決まったスタイルは何年も前から存在するとはいえ、まだまだこれから生まれてくるものがスタンダードになる余地はある。
 そんな中でYahoo!などが早い時期に作ったポータルサイトのトップページの構成(ニュースダイジェストの表示の仕方など)は、まだ洗練とは程遠いがそれなりの安定感と「暗黙の了解」が概ね成立している点においてひとつの「枯れたデザイン」になりつつあるようだ。まだまだシンプルさには欠けると思うけど。


ということを、mixiの最近のデザインを見て思った。

*1:個人的には好きだけどね。無駄でどうしようもないけど、作り手の遊び心が伝わるようなものは。根本的に勘違いしているモノは好きじゃないけど