論説はblogじゃない

すでに一部で祭りとなっていて、今更エントリすることでもないかもしれないが、情報へのパスは多いほうがいいだろうということで。

小惑星探査機「はやぶさ」について、NIKKEI.NETに珍妙な論説が載っている。
 研究の失敗に寛容な風土はできるか

この内容そのものについては松浦晋也氏のブログにおいて反論されており、私のような門外漢が付け加えることもないが、この内容でプロの視点とか言うのは恥ずかしすぎないか。
 これは良く知りも調べもせずに批判めいた文章など書くとこうなるという見本であり、その点ではこのblogの過去のエントリも自省させられるところではある。

ただ、清水氏の書いていることははやぶさのニュースをTVや新聞で見ただけの一般人の多くが抱いてる感想としてなら理解できるものはある。
 これは(科学報道に弱い日本らしく)報道姿勢にも問題はあるし、JAXAなどもいまいち一般向けに理解しやすい広報が出来ていないのではないかとは感じる。このあたりの話は科学リテラシの話に繋がったりして長くなるのでこれ以上触れはしないが、結局清水氏の文章はそうした「一般人代表」でしかないのだろう。(松浦氏のblogをチェックし、状況を細かに把握しているような人々は、このケースでは"一般人"とは切り離すべきだろう)

ただ問題は、清水氏はこの文章を「一般人に伝わっていない」ことの問題提起として書いているのではなく、単純に「(そうした報道の元による)一般人程度の理解で」計画そのものやJAXAの姿勢に対する批判をしているということだ。
 論説というのはそれこそ「一般人」にとっては記者の感想付きの「報道」であるのだから、もうちょっと責任持って調べてから書いたら、と思わずにはいられない。
個人のblogで雑感かいてるんじゃないんだから、と自己弁護めいた突っ込みをしつつ。