Wikipediaの科学系記事

Nature誌が、近頃何かと問題のWikipediaの記事がどの程度正確なのかをわざわざ調査したとか。

「Natureが実施した専門家主導による調査は、専門意見を聞いてWikipediaとBritannicaの科学分野の内容を比較した初めての調査だが、その結果は注目を集めている例(SeigenthalerやCurryの問題)が例外的なものであることを示唆している」(Nature誌)

例外的も何も、それらの問題と科学分野の記事では、比べる対象がまるで違うじゃないか。
 Natureが調査するのだから科学分野の内容を比較するのは分かるのだけど、そもそも科学系の記事の編集者として自ら参加する人というのはその分野に対して特別造詣の深い人たちや、学際の現場に身を置いてるような専門家も少なくないのだろうから、幾度かの訂正と議論を経て、結果的に正確性の高い記事が出来上がっているのは不思議でもなんでもない。
日本では2chあたりで見かけるレベルの極端な事例は別にしても、Wikipediaの記事の正確性の問題というのは、好き嫌いで恣意的かつ感情的な文言が入ってしまうような著名人に関する記事だとか、イデオロギに関わるような内容なんかだろう。実際日本語版でも、ネタにされやすい芸能人などの記事なんかは百科事典と呼ぶにはあまりにも、というケースは散見される。
 そういった分野に比べれば、客観的に書かれやすい科学系記事の正確性は高くて当然ともいえる。基本的に編集者たちによる「より正確な記事」を編纂するためのベクトルが同一方向を向きやすいからだ。

まぁ、Britannicaとの比較をやったのは面白い。
 ていうか、BritannicaにWikipediaと大して差の無い割合で誤記や誤認しやすい表現があるという、そっちのほうがむしろ問題じゃないの?