スーパーカートリオ

僕の少年時代、地元神奈川と言えど大洋ファンなどまずいなかった。周囲は巨人派と阪神派に分かれていた。そんな中、僕(と多分もう一人くらい)だけが、遠藤のフォーク、ポンセや田代の"当たればすごい"本塁打、それに何よりもスーパーカートリオに魅せられていた。僕の大洋、そして横浜ファン暦の最初の記憶だ。
あの時代、バース掛布岡田の阪神最強打線よりもスーパーカートリオを選んだ僕は、間違いなく異端だったと思う。でも、誰もが賞賛するあのバックスクリーン三連弾よりも、スーパーカートリオという特殊な個性の方が僕には魅力的だった。初代ファミスタでも、現実ではずっと強いはずのチームを相手にひたすら足で引っ掻き回して勝つのが何より爽快だった。
今はどちらかと言うと走塁の苦手なチームになってしまったけど。

あまり言葉を尽くして感傷に浸るのはよそう。あの明るいおっさんに贈るべきはそんなセンチメンタリズムではなく、スタジアムに響く歓声。
さようなら、じゃなくて、かっとばせ加藤。