「iPhoneというカメラ」を進化させるCamore+

当blogは速報系じゃないし、あまりあちこちで紹介されているものを取り上げるのはどうしても二番煎じどころじゃない感じになってしまうので、わりと旬のネタなんかは避けがちだったりするのですが、それでもどうしても取り上げたくなる素晴らしいアプリに出会う事はあります。
 
ひとりでも多くの人に存在を知って欲しいアプリ。もしかしたらごくごく稀に、ここを訪れるまでこのアプリの存在や使い道を知らない人もいるかもしれない、だったらその人に伝えたい。常々言っているように情報のパスはルートが多いほど繋がりやすいのです。


ましてや今回取り上げたいアプリは、当blog記事を読んで下さっている方には馴染みの深い「Camera+」のユーザにこそ伝えたいアプリ。そう、iPhoneのカメラアプリ界に革新をもたらす新機軸のカメラ"ハブ"アプリ、「Camore+」です。

※価格は情報取得時点のものです。ご購入前にその時点の価格を確認願います。

Camore+ | Add-on for Camera+ to send and recieve images 1.0(¥85)App
カテゴリ: 写真/ビデオ, 仕事効率化
販売元: Rivawan - Yusuke Tsuji(サイズ: 0.5 MB)

ストイックなまでの「Camera+」リスペクト


このアプリの主な機能はCamera+がインストールされている事が大前提になります。起動すると早速このメニュー。

Camera+で撮影」「Camera+から追加」。徹底的にCamera+との連携です。カメラロールからの選択なんてただの飾りですよ。
加えてもうひとつ秀逸なのは「最後に保存した画像」を選べる事。つまり、連携するインタフェースを一切持たないアプリで撮影/写真加工して保存した写真であっても、その作業の直後にCamore+を立ち上げればわざわざカメラロールにアクセスしなくてもワンタップでその写真を呼び出せる。「ほぼ連携」といっても良いですよね。




写真を取り込んだ後の画面の下に表示されるメニューも「Take」はCamera+の撮影モードに移行するし、「Edit」もCamera+のLightBox編集モードに写真を渡すためのメニュー。そう、このアプリ自身は撮影機能もなければ編集機能もない(唯一、ローテーションのみ可能ですが)。
難しい作業はCamera+という素晴らしいアプリに任せてしまって、このアプリは他のカメラアプリや投稿アプリへの「ハブ」としての役割に専念する、潔く徹底した依存型アプリなのです。

そして貪欲なまでの連携機能


さて、ここまで書いた機能だけでは「Camera+」単体で使ってもさほど変わりはないように見えます。
このアプリはCamera+から受け取った写真を、カメラロールへの保存などを経由せずに他のアプリに直接引き渡すところまでが一連の機能です。


さて、ここで例として、連携対応アプリ(サービス)である食べ物写真のSNSmiil」へ、Camera+で撮影と加工をした写真を引き渡す流れを見てみましょう。

※価格は情報取得時点のものです。ご購入前にその時点の価格を確認願います。

miil 1.7.1(無料)App
カテゴリ: 写真/ビデオ, ソーシャルネットワーキング, フード/ドリンク
販売元: FrogApps, Inc.(サイズ: 15.4 MB)

従来はCamera+を起動して撮影、自分で編集画面に移動して編集・保存。そしてCamera+を終了させてからmiilを起動して、写真を読み込みます。ここにCamore+を使うとどうなるでしょう。



まずは、Camore+を起動。先ほどの起動時のメニューから「Camera+で撮影」を選択。

するとCamera+が起動します。このとき、直前にLightBoxの操作までで終わっていたとしても、ちゃんと自動で撮影画面が起動してくれます。
(Camera+の画面です)


で、ここが素晴らしいのですが、撮影すると自動でEdit画面に。通常Camera+単体での撮影時には自分でLightBoxに移動して編集する写真を選ぶ必要がありますが、連携時には撮影後すぐに移行してくれる仕組みになっているようです。ここらはCamera+側もよく考えられたインタフェースだと思います。
(Camera+の画面です)


ここで好きなように加工して、右上の「Use」ボタンをタップ(無加工の場合も同じ)。すると加工済みの写真がCamore+に引き渡されます。


ここから次に「Send」をタップして、表示されたアプリのアイコン一覧からmiilを選んでタップ。


もうおわかりですね。miilが起動して、投稿前の写真を読み込んだ状態で表示されます。これも一から起動すると数回の操作が必要なところに一度で到達出来る訳です。
(miilの画面です)


あとはmiil内の手順で投稿まで実行するだけ。字面で見ると手数はさほど変わらないように見えるかも知れませんが、一度もホームに戻る事無くアプリ同士が連携していくので実際の操作が少なく、実に快適かつ爽快です。サポートされたアプリをストレスフリーに橋渡ししてくれるのです。これはiPhoneの複数アプリを使う作業における操作性の弱点を補う、圧倒的なサポートアプリです。
ちなみに、最初のほうに連携するから使う意味があるような事を書きましたが、1枚分の撮影から編集とカメラロール保存まで一気にやるなら、Camera+単体で使うよりも少ない手数で実行出来てしまいます。それは上記の流れを見て頂ければだいたい分かりますよね。



もちろんmiilだけでなく様々なアプリに対応しています。


で、需要の多そうなInstagramは専用メニューから。

目に見えて革新的!

これまでもURLスキームやPhotoAppLinkなど、開発者相互の努力で写真を扱うアプリ同士の連携は実装されてきましたし、それを利用したランチャアプリなども増えてきました。Camore+も当然そうした技術あってこそ実現出来るアプリであって、全く新しいものとまではいえないかも知れません。


でも、Camore+は、自身はカメラアプリとして何ら機能しないのに、撮影するときにまず立ち上げるアプリになってしまった。アプリの進化は常に創造力と想像力がもたらすブレイクスルー。これこそアイデアによる革新であり、連携に特化したことでユーザの利便性を圧倒的に高めた開発者([twitter:@rivawan]さん)の発想力は賞賛されるべきでしょう。このアプリが存在するという事実だけで、Camera+や連携するアプリもまた進化したとさえ言えるのですから。
このアプリは大袈裟でも何でもなくカメラアプリというジャンルを新ステージに導くマイルストーンになるのではないかと思っています。



これまでもカメラアプリの頂点に存在していたCamera+ですが、Camore+との組み合わせという、他の追随を許さないスペシャルオプションを手に入れたことになります。もしかしたらCamera+自身が豊富な連携機能を搭載すれば不要になってしまうのかも知れませんが、それでもこのアプリが現時点で存在している事の意義は大きいはずですし、このアプリに刺激を受けてCamera+が便利になっていくとしたら、それもまた素晴らしい事ですよね。

※価格は情報取得時点のものです。ご購入前にその時点の価格を確認願います。

Camera+ 3.0.2(¥85)App
カテゴリ: 写真/ビデオ, ソーシャルネットワーキング
販売元: tap tap tap LLC(サイズ: 21.9 MB)


とはいえ、Camore+自体もURLスキーマ、PhotoAppLinkに対応してるので、他のカメラアプリから写真を受け渡すことは可能ですし、Camera+に限らない様々なカメラアプリ同士や、カメラアプリとサービスとのハブとして広く活用されるようになるでしょう。
現バージョンでは起動直後の状態で他のアプリから写真を渡すと、初回起動時のメニューが出たままになっていることがあるようですが、アップデートですぐに直るものと思います。

いずれにせよ、今後の展開が実に楽しみなアプリです。
Camera+ユーザは必携ですよ。

※価格は情報取得時点のものです。ご購入前にその時点の価格を確認願います。

Camore+ | Add-on for Camera+ to send and recieve images 1.0(¥85)App
カテゴリ: 写真/ビデオ, 仕事効率化
販売元: Rivawan - Yusuke Tsuji(サイズ: 0.5 MB)